着物を着て歩くと、人の視線を感じることがあります。そこには「今日何かあるのかな？」「特別の日なのかな？」といった疑問が感じられることもしばしば。そのため、着物を普段着として着るのは、どこか恥ずかしいという意識を持ってしまう人も少なくありません。

 

そこで今回は、着物を普段着にするのはなぜ恥ずかしいと感じてしまうのかや、堂々と着こなすことで得られるメリットなどをご紹介します。

この記事を読むための時間：3分

着物が普段着だと恥ずかしい？

結論から言えば、全く恥ずかしくはありません。では、なぜ着物が普段着だと恥ずかしいと感じてしまうのでしょうか。本来着物は日本では当たり前の格好でした、しかし明治時代から広がった西洋文化により洋服が一般的になります。すると日本人には多い「同調圧力」が働きました。

皆が洋服なのにその中で着物を着るのは浮いてしまう、つまり恥ずかしいとして普段着からどんどん外れていってしまったのです。

 

着物は特別着だという誤解

着物が普段着として意識されやすい背景には、特別着だというイメージがあります。冠婚葬祭や入学・卒業式などの大きな行事にこそ着るものと思っている人も多く、普段来ていると「なんで普通の日に着るの？」と思われがちなのです。しかし、着物には「こういう時に着るべき」といったルールはありません。着たいときに着る、それが本来は着方なのです。

 

着物を普段着にするメリット

着物は、身に付けることで見た目にも心にも大きなメリットをもたらすとされています。ここでは、着物を普段着にする主なメリットをご紹介します。

心身が引き締まる

着物は帯の効果もあり、姿勢を自然と整えてくれます。また、着物を着ていると派手な動きが自制されるため、所作もゆっくり優雅に見えるのです。そして、着物を美しく着こなすには着付けはもちろん、内面の穏やかさや礼儀を重んじる心も大切。着物を着ることで、心身共にスッと引き締まり、綺麗になろうと自分磨きの意識も高まるのです。

 

体型を気にせずに着られる

着物は、どんな体型でも着られるように作られています。痩せていて着物がフィットしない場合は、タオルで補正ができるため美しい着こなしが可能です。体型の変化によって着られなくなってしまう洋服とは違い、着物はボディラインも気にせずいつでも着られるのがメリットです。

 

着こなしの幅が広がる

洋服と着物の両方を普段着として楽しめると、ファッションの幅が広がります。着物はそのままで着るのはもちろん、近年では和洋を合わせたコーディネートも広がりつつあります。また、着物には流行がありません。帯や小物を変えれば着こなしは無限大です。優雅で大人しいイメージがある一方で、着物は個性を表すファッションとしても人気があるのです。

 

着物を普段着にするデメリット

着物には、仕様ならではのデメリットも存在します。ここでは、着物を普段着にする上での主なデメリットをご紹介します。

洋服よりは動きにくい

洋服と比較してしまえば、着物はどうしても動きづらさを感じてしまいます。また袖が引っかかったり足元が窮屈になったりで、不便を感じる点はデメリットです。お腹周りが帯でしっかり締められていることから、食後の苦しさを感じる場合もあるでしょう。

 

着脱に時間がかかる

着物は、着付けに手間がかかります。そのため準備時間をしっかりとらなければならないのは、デメリットの一つであるといえます。普段着用の着物は、フォーマルなものよりも簡易的な着用ができますが、それでもある程度の知識やスキルが必要です。着物は、正しく着用しないとだらしない印象を与えるため、正しく着付けるための時間はどうしても必要となります。

 

手入れや保管に手間がかかる

着物はほとんどが洗濯機で気軽に洗えるものではありませんし、しっかりした保管をしないとすぐに痛んでしまいます。そのためクリーニング代や、日頃のお手入れなど気を遣う点が多くなるのもデメリットです。着物を美しい状態で長く楽しむには、正しい保管方法を学び、管理しなければなりません。

 

着物は立派な普段着、堂々と着ておしゃれを楽しもう

メリット・デメリットともにあるものの、着物は普段着として着用しても何もおかしいことはありません。その美しさに魅了され、普段着に取り入れる若者も増えています。自分が着たいと思ったのであれば、普段から堂々と着物を楽しみおしゃれの幅を広げていきましょう。