畳縁には、様々な色や柄があります。模様によってそれぞれ意味が異なるため、畳を新調する時は、縁の持つ意味にも着目することが大切です。しかし、和柄の持つ意味について、詳しく知識がない人も多いでしょう。そこでこの記事では、畳縁の柄に意味がある理由を解説するとともに、模様の種類ごとの意味をそれぞれご紹介します。

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畳縁の柄には意味がある

畳縁とは、畳の側面を保護する部分のことで、ほつれにくくして強度を保つとともに、畳同士の隙間を埋める役割があります。また、縁には様々な柄があり、それぞれ異なる意味を持つのが特徴です。昔は模様によって身分や家柄を表していたため、柄ごとに異なる意味や願いが込められたと言われます。今でも縁の模様の種類は多く、意味もそのまま残っています。

模様の種類ごとの意味

模様の種類ごとの意味を、以下の10種類より解説します。

 

1. 七宝（しっぽう）
2. 矢羽（やばね）
3. 市松
4. 青海波（せいがいは）
5. 麻の葉
6. 菱（ひし）
7. 紗綾形（さやがた）
8. 亀甲
9. 鱗（うろこ）
10. 桜

 

それぞれについて解説していきます。

七宝（しっぽう）

七宝とは、円を重ねたような模様です。円を連ねるため、円を結ぶという「円満・ご縁」などの意味を持ちます。そのため、新婚家庭などに夫婦円満になるようにと贈られることが多いです。

矢羽（やばね）

矢羽は、弓矢の羽の部分を連ねた模様です。矢は、破魔矢など「魔除け」という意味や、飛ばしたら真っ直ぐに飛んで戻らないため「出戻りしない」という意味があります。結婚や仕事、学校などで故郷を離れる人へ贈る柄とされています。

市松

市松とは、格子を並べたチェック柄のことです。格子の目が永遠に続くことから、「繁栄」の意味があると言われています。また、近年は様々な格子が連なることにより、異なる人種、肌、目の色、言語などが共存するとして「多様性」という意味も持ちます。

青海波（せいがいは）

青海波は、円を波のように重ねた模様で、青系の色味を使うことが多いです。波の模様は、日本の周りにある海を表しており、昔は海の向こうにある国から様々なものが伝わり、無限に広がるとされていたため「永遠に続く」という意味があります。また、平和が続くということで縁起が良いともされています。

麻の葉

麻の葉は、六角形の麻の葉っぱを連ねた模様です。麻の葉は成長が早いため、子どもに対して「早く元気に成長するように」という意味があります。また、魔除けの意味合いも持つとされ、成長や無病ということから、赤ちゃんや子どもへの贈り物にふさわしい模様と言われています。

菱（ひし）

菱は、ひし形に花や幾何学模様を加えた柄で、種類が多いのが特徴です。模様の由来はヒシという植物であるとされ、繁殖力の強い草なので「繁栄」などの意味を持ちます。また、ひし形は命の形を表しているとも言われ、桃の節句の菱餅など、子どもの成長を願うという意味も込められています。

紗綾形（さやがた）

紗綾形は、変形させた卍を連ねた模様です。卍には「不断長久」という意味があるため、紗綾形は「永続・子孫繁栄」などの意味があります。そのため、永遠に続くということで、平和という願いも込められています。

亀甲

亀甲とは、六角形の亀の甲羅のような模様です。昔から、亀は幸せを運ぶ縁起の良い動物であるとともに、長寿であると伝承されています。そのため、「縁起が良い・長寿」などの意味があり、祝い事に用いられることが多いです。

鱗（うろこ）

鱗は、三角形を連ねた、魚や蛇の鱗のような模様です。鱗模様には、蛇が何度も脱皮を繰り返すことから、「再生」の意味があると言われています。また、逆三角形には魔除けの意味もあるため、邪気を払って生命を繰り返す、縁起が良いものだとされます。

桜

桜は、春に咲く花のため、雪解け後の農業の繁栄や、新しい1年を祝うという意味があります。また、花は散っていくものなので、縁起が悪いと言われることもありますが、縁の柄にすることで散ることのない、前向きな意味合いになります。

畳縁の柄の意味を知って知識を深めましょう

畳縁には、様々な柄があるとともに、それぞれ異なる意味を持ちます。そのため、畳を新調する時はデザイン性だけでなく、柄が持つ意味にも着目すると、家に幸福をもたらすと言われています。柄の持つ意味を知って、畳の知識を深めていきましょう。